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2007.03.31 暴君A氏
かつての会社の同僚ながら、IT業界を転々とし、今や筆者の年収の8倍は下らないと一部で囁かれているA氏から、早朝、電話があった。

『○○(商品)、あるか?』
「あるけど」
『原価は?』
「600円くらいかな」
『じゃ、800円やる。持って来い』
「は!? 持って行くって? 送りじゃあかんの?」
『今日の昼までに要る』
「いやいや、そんなんしたらアカ出るがな(交通費460円)」
『じゃ、チャリで来い』 ブチ

筆者の会社から目的地まではゆうに5キロはある。
しかも今日は雨である。
驟雨の中を自転車で走る。
頭の中は真っ白にしているつもりだが、顔が濡れているのは雨せいなのか涙のせいなのか分からなくなっていた。

目的地に到着。
A氏に電話をする。
呼び出し音が聞こえるにもかかわらず、出る気配がない。
一度切って、深呼吸を数度繰り返し、掛け直す。
今度は繋がりさえしない。留守番電話に繋がるだけ。

普通の相手なら怒りに任せて帰るところだが、A氏相手にそれも出来ない。
(そもそも、来ることもないが……)

途方に暮れること数十分、A氏から電話が掛かって来た。
『今、どこや?』
「▲▲の近く」
『ほな、△△まで来い』 ブチ
「はい……」

歩くこと5分。
『遅い』
謝罪はおろか労いの言葉さえもない。
「これ、○○」
と商品を差し出す。
『ほい、コレ』
A氏の差し出した手、人差し指と中指の間に千円札が挟まれている。
「あっ、釣りやね」
と鞄を開けて財布を取り出す。
200円を取り出し、A氏の手に目をやると、さっき間違いなく挟まれていた千円札がない。
「え?」
錯覚ではない。何もない。
何も挟まっていなければ、隙間もない二本の指が下を向く。
ぬかるんだ地面に千円札が落ちていた。
『釣りは要らん。ただし、手やなくて口でひらえ』 (筆者注「ひらえ」=大阪弁。“拾え”のこと)

地面に膝をつく。
ぬかるみに近づく前にその顔は既に濡れている。
屈辱、汚辱、涙で濡れている。

札を口にし、起き上がった時、既にその場にA氏はいなかった。


夜、A氏から電話があった。
『領収書、送って来い。』
「うん、わかった」
『三万で頼むわ』
「へっ!?」
あまりの驚きに二の句が次げない。

筆者が出来たのは、せめて印紙の必要のない29,800円に減額してもらうことだけだった……。


A氏からのTBはあるのか?
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